眼科
1.67歳の男性。左眼痛と視力低下を主訴に来院した。7日前に植木のせん定をしていた時に、木の枝が左眼に当たったという。翌日から左眼痛と視力低下を自覚し、次第に症状が悪化した。左眼の前眼部写真を別に示す。左眼の視力は眼前手動弁。眼圧は右16mmHg、左18mmHg。最初に病変を生じた部位はどれか。
a結膜
b角膜
c前房
d虹彩
e水晶体「木の枝が眼に当たった」というエピソード(突き目)からは細菌性角膜炎を考えたい。画像では前房蓄膿、充血、角膜混濁がみられている。
a 確かに結膜充血がみられているが、「最初に病変を生じた部位」とは言えない。
b 正しい。上記の通り。
c 確かに前房蓄膿がみられているが、「最初に病変を生じた部位」とは言えない。
d 前房蓄膿があるということは前部ぶどう膜炎の存在も考えられるが、虹彩が「最初に病変を生じた部位」とは言えない。
e 水晶体障害を疑わせる本文中の記載や画像所見はない。
KEYWORD 細菌性角膜炎
2.3歳の女児。3歳児健康診査で眼位異常を指摘されて来院した。視力は右0.3(0.5×+3.0D)、左0.4(0.8×+3.5D)。眼位写真を別に示す。調節麻痺薬点眼後の矯正視力は右(0.5×+6.0D)、左(0.9×+6.0D)であった。治療として適切なのはどれか。
a右+6.0D、左+6.0Dの眼鏡処方
b右+3.0D、左+3.0Dの眼鏡処方
c右+3.0D、左+6.0Dの眼鏡処方
d近方注視訓練
e斜視手術
眼位異常を指摘され来院した3歳女児。視力は遠視傾向で眼球が内側を向いていることから調節性内斜視と考えられる。調節麻痺薬点眼後の視力で考える。
a 正しい。通常無意識下に補正してしまうため、補正を除いた調節麻痺薬点眼後の視力で考える。
b 両眼とも+6.0Dの眼鏡が望ましい。
c 右眼も+6.0Dの眼鏡にする。
d 間欠性外斜視に対して行うことがある。
e まずは矯正眼鏡にて経過をみる。不用意な侵襲を与えるのは好ましくない。★禁忌★
KEYWORD 調節性内斜視
3.10歳の男児の左顔面にボールが当たり、その直後から物が二重に見え、悪心が出現している。上方視の状態を別に示す。最も考えられる骨折部位はどれか。
a頬骨
b鼻骨
c前頭骨
d眼窩下壁
e眼窩内壁
顔面にボールが当たった直後からの複視。画像では左眼の上転障害がみられており、眼窩下壁の骨折により下直筋が嵌頓してしまったものと考えられる。眼窩吹き抜け骨折の診断。
a 眼窩吹き抜け骨折の原因となる骨ではない。
b 眼窩吹き抜け骨折の原因となる骨ではない。
c 眼窩吹き抜け骨折の原因となる骨ではない。
d 正しい。上記の通り。
e 眼窩吹き抜け骨折の原因となることがあるが、その場合は内転または外転障害が出現する。
KEYWORD 吹き抜け骨折
4.14歳の男子。1か月前からの両眼の掻痒感と1週前からの左眼視力低下を主訴に来院した。矯正視力は右1.0、左0.4。左上眼瞼を翻転した写真を別に示す。診断はどれか。
a霰粒腫
b麦粒腫
c春季カタル
d流行性角結膜炎
eクラミジア結膜炎
頻出問題である。眼瞼裏面の石垣状乳頭がみられており、春季カタルの診断となる。
a 眼瞼の肉芽腫である。
b 眼瞼に生じた細菌感染である。
c 正しい。上記の通り。
d 眼球結膜が発赤する。眼脂やリンパ節腫脹も伴う。
e 眼球結膜が発赤する。眼脂や視力低下も伴う。
KEYWORD 春季カタル
5.22歳の男性。視力低下、昼盲を主訴に来院した。幼少時よりアトピー性皮膚炎を指摘されていた。15歳ころから眼瞼および結膜の掻痒感が強くなり、副腎皮質ステロイド外用薬および点眼薬を使用してきたが、掻痒感が消失しない時に眼部を叩打してきた。1年ほど前から視力低下および昼盲を自覚するようになったという。視力は右0.1(0.9×?3.0D)、左0.1(1.0×?2.5D)。眼圧は右13mmHg、左17mmHg。両眼の散瞳後の前眼部写真を別に示す。細隙灯顕微鏡検査で右眼の前部硝子体に色素散布を認める。緊急に処置?手術が必要な合併症はどれか。
a結膜炎
b白内障
c円錐角膜
d網膜裂孔
e後部硝子体剥離
若年男性の視力低下。アトピー性皮膚炎の背景下で眼部を叩打してきたとのことで、裂孔原性網膜剥離が考えやすい。細隙灯顕微鏡で前部硝子体に色素散布を認めるのは、裂孔から色素が入り込んだためであろう。画像では白内障が指摘できる。白内障もアトピー性皮膚炎に合併しやすい病態だ。
a アトピー性皮膚炎に合併することがあるが、本患者では指摘できない。また、万が一存在したとしても緊急対応は不要。
b 白内障は存在するが、緊急対応は不要。
c アトピー性皮膚炎に合併することがあるが、本患者では指摘できない。また、万が一存在したとしても緊急対応は不要。
d 正しい。今回の主訴の原因となったのは裂孔原性網膜剥離と考えられ、緊急対応を要する。
e 本患者に合併していても矛盾はないが、明確に指摘できる記載が本文になく、万が一存在したとしても緊急対応は不要。
KEYWORD 裂孔原性網膜剥離
6.32歳の女性。自転車を運転中に転倒し救急車で搬入された。意識レベルはJCSI-1で、視野全体が暗く感じると訴えている。対光反射の瞳孔の写真を別に示す。障害部位はどれか。
a視神経
b視交叉
c外側膝状体
d毛様体神経節
eEdinger-Westphal核
対光反射に関する頻出問題。上段の写真からはまず正常瞳孔径を確認する。中段の写真から、左眼の直接対光反射と右眼の間接対光反射が保たれていることを確認する。下段の写真から、右眼の直接対光反射と左眼の間接対光反射が消失ないし減弱していることを確認する。以上から、右視神経の障害と判定される。
a 正しい。上記の通り。
b 障害により対光反射に異常がみられる可能性はある。が、典型的なパターンは存在しないため、一般的に対光反射で障害の有無を評価することはしない。
c 対光反射に関与しない解剖構造である。
d この場合、動眼神経障害とほぼ同義。片側眼の直接?間接対光反射が同時に消失されるはずである。
e 障害により対光反射に異常がみられる可能性はある。が、典型的なパターンは存在しないため、一般的に対光反射で障害の有無を評価することはしない。
KEYWORD 対光反射
7.視野異常と疾患の組合せで正しいのはどれか。
a管状視野---------視神経炎
b同名半盲---------黄斑疾患
c盲中心暗点---------緑内障
dBjerrum暗点---------視路障害
eらせん状視野---------心因性視力障害
a 管状視野は心因性視力障害でみられる。
b 同名半盲は視索以降の中枢側の視路障害でみられる。
c 開放隅角緑内障では傍中心暗点をみる。傍と盲をもじった引っ掛けであろう。一応、盲中心暗点という医学用語も存在し、盲点?中心部分をつなぐ暗点、すなわちラケット状暗点と同義である。これは視神経炎などでみられる。
d Bjerrum暗点は開放隅角緑内障でみられる。
e 正しい。らせん状視野は心因性視力障害でみられる。
KEYWORD 視野異常
耳鼻咽喉科
1.45歳の男性。嗄声を主訴に来院した。2年前から誘因なく嗄声が出現し、咽喉異物感と慢性的な咳が続いているという。喫煙歴と飲酒歴はない。白色光による喉頭内視鏡像(A、B)及び狭帯域光による喉頭内視鏡像(C)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
a下咽頭癌
b声帯結節
c喉頭乳頭腫
d慢性喉頭炎
eポリープ様声帯
中年男性の嗄声。画像では両側声帯の乳頭状腫瘤が確認できる。喉頭乳頭腫の診断。
a 画像上、病変は声帯上にある。声帯は下咽頭ではなく、喉頭に分類される。また、喫煙?飲酒がリスクとなるため、あえて「喫煙歴と飲酒歴はない」と書いてあることが合致しない。
b 声帯にできる両側性の隆起性病変という点は合致するが、乳頭状を呈することはない。
c 正しい。上記の通り。
d 喫煙者に多く、声帯の発赤を認める。
e 声帯にできる両側性の隆起性病変という点は合致するが、乳頭状を呈することはない。また、喫煙者に多い。
KEYWORD 乳頭状腫瘤
2.小児急性中耳炎の難治化に関連しないのはどれか。
a年齢6歳以上
b免疫能の低下
c鼻副鼻腔炎の合併
d集団保育所への通所
e薬剤耐性菌の耳漏内検出
a 誤り。年齢2歳以下が難治化しやすい。
b 免疫能が低下していたら、感染症には一般に罹患しやすくなる。
c 鼻副鼻腔炎の原因菌が定着し、さらには耐性菌が出現していた場合、難治化しやすい。
d 集団保育所へ通う他の小児とのピンポン感染や耐性菌の出現により難治化しやすい。
e 薬剤耐性菌は一般に感染症に難治化に寄与する。
KEYWORD 小児急性中耳炎
3.2か月の乳児。新生児聴覚スクリーニングで精密検査が必要となり、両親とともに来院した。家族の呼びかけや周囲の音への反応はほとんどない。身長?体重は月齢相当である。外耳道と鼓膜とに異常を認めない。側頭骨CTでは中耳?内耳に異常を認めない。聴性脳幹反応〈ABR〉は両耳とも無反応である。耳音響放射〈OAE〉では、両耳で低中音部に残存聴力が確認された。医師から両親への説明として適切なのはどれか。
a「機能性難聴です」
b「補聴器装用を開始しましょう」
c「副腎皮質ステロイドで治療します」
d「人工内耳埋込み術をすぐに予定します」
e「1歳6か月児健康診査まで様子をみてください」
新生児聴覚スクリーニングで再検査となり来院した2か月の乳児。聴性脳幹反応〈ABR〉は両耳とも無反応であり、両側性の高度難聴と考えられる。乳幼児の聴覚障害はその後の言語発達に影響を及ぼすため早急な対応が必要である。
a 機能性難聴ではABRは正常となる。
b 正しい。一般的に補聴器装用は伝音難聴に有効とされ、感音難聴には適応とならない。しかし、本症例では残存聴力が確認されており人工内耳植込み術施行までのつなぎとして用いる。そうすることで、少しでも患児に聴覚刺激を与えるように努める。
c 後天性急性感音難聴の治療薬である。
d 人工内耳植込みは術は1歳以降に行われる。
e 1歳6か月まで様子をみては言語発達に影響を及ぼしてしまうため早急に対応する。
KEYWORD 新生児聴覚スクリーニング
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